295:名無しNIPPER[saga]
2015/07/06(月) 00:27:07.70 ID:DIPBHoXDO
「……分かったわ」
ミレイは静かに言った。腕を組み、こちらを見下ろす。
「このミレイさんが、直々に学園内を案内してあげよう!」
「……わかりました」
生徒会で──いや、もしかしたら学園でトップの発言力に逆らえるはずもなく、ライは立ち上がった。
ミレイに続く形で、ライは生徒会室を後にする。
「学園内は広いからねぇ。ちょくちょく歩いといた方がいいわよ。何かあったときに、一人でぽつーんと置いていかれたら困るでしょ」
「そうですね」
廊下を歩きながら答える。
「……それにしても、あなたの記憶、全然戻らないのよね」
「……すみません」
ミレイは何も言わないが、学費も食費も宿泊費も払えないライの存在はアッシュフォード家にとって決してプラスではないはずだ。
アルバイトなどをしようにも、このご時世だ。身元の不確かな者を雇い入れる店など殆どなかった。あったとしても、そういう店は名誉ブリタニア人を使うのだ。
貰ってばかり。
なにも返せない。
この包容力豊かな女性といると、いかに自分が駄目な男であるか認識させられてしまう。
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