322:名無しNIPPER[saga]
2015/07/13(月) 01:04:36.54 ID:LDywV5nDO
「……それは、お前がナナリーを抱きかかえるという事になるんだが」
「そうなるな」
「許すと思うか?」
尋ねると、ライは右手を口元にやって思案した。たっぷり五秒費やし、
「……問題ないと思うんだが」
「大ありだ……!」
珍しく声を荒げた。ナナリーを男子生徒が抱き上げるなど、断じて許されない。だが、何よりルルーシュを苛立たせたのは、その光景を容易に想像出来たことだった。
ライが提案すれば、ナナリーは照れながらも承諾するだろう。間違いない。だが、許さない。
「何故だルルーシュ。失礼だが、君は体力面で問題を抱えている。同年代男子の一般水準を大きく下回っているはずだ。ナナリーの安全を考慮すれば、僕が協力した方が合理的だと思うぞ」
いつになく饒舌だった。加えて、まったくの正論だった。部下に欲しいぐらいだと、ルルーシュは思った。
こういう時、力任せに反論するのは愚かだ。体力面で問題を抱えているのは事実だし、ライが協力した方が良いのもまた事実だろう。しかしながら、それを認めるわけにはいかない。
ルルーシュはにっこり笑って言った。
「お前の気持ちはありがたく受け取っておくよ。だが、これは兄である俺の役目だ。他の奴には譲れない。たとえ、お前やスザクにもな」
既に、ライの弱点は把握していた。こう言えば彼が反論してこない、してこれないということも熟知した上での発言だった。
1002Res/860.00 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。