346:名無しNIPPER[saga]
2015/07/18(土) 22:40:28.16 ID:oFzwPuzDO
なるべく早い時期に要望をまとめて一度の発注で済ませれば、それだけ予算は浮く。反対に、それらを手こずった場合は業者の方が忙しくなり受注してもらえなくなって、割高なところへ頼むしかなくなってしまう。
要は早い者勝ちという事だ。
ライは鞄から分厚い書類の束を取り出した。A4サイズの紙が無造作にクリップで止められたそれをテーブルに置く。先ほどの恋愛小説のページ数を上回る枚数であった。
「過去のデータから出し物に使う資材は予測出来ました。それに基づいて作った受注業者のリストがこれです」
「そ、それ全部……?」
シャーリーの若干引き気味の質問に頷く。
「僕にはこういった知識が無いので、とりあえず何らかの形で利用出来そうな物は全て入れました」
例えば屋台で出す飲み物。そのメーカーに頼めば業務用の物を安く仕入れる事が出来るが、代わりにレパートリーが狭くなる。近所のショッピングモールなら値段は高くなるものの、品揃えは比べものにならないくらい豊富だ。
飲食関係だけでこれなのだ。着ぐるみなどを貸し出すイベント会社、ホームセンターやスーパー、雑貨屋に害虫駆除、ディスカウントストア。果てはランジェリーショップまで入れれば、書類がここまで肥大化するのも当然のことだった。
「一応、その時々で理想的な条件に当てはまる所にはマーカーで目印を付けています。参考までにどうぞ」
「ふーん。どれくらい安くなりそう?」
「都合良く運べば例年の四割ですね。そのぶん仕事がかさみますが」
「発注はいつくらい?」
「許可さえ頂ければ今すぐにでも」
「ならば良しっ!」
書類に目を通しもせず、ミレイ会長は太鼓判を押してくれた。
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