355:名無しNIPPER[saga]
2015/07/23(木) 19:40:26.70 ID:jVTaH5bDO
「彼が随分打ち解けてきたのも、あなたの影響なんじゃないのぉ?」
「確かに。カレンも生徒会に良く顔出すようになったし!」
「あれだけ一緒にいれば、そりゃーもう、ね?」
ミレイ、シャーリー、リヴァルの見事な波状攻撃にさらされ、カレンがまたもたじろぐ。助け舟を出そうかとも思ったが、また状況を悪化させる事は明白だったので黙っていた。
「そうそう、二人の時間が彼の力に。なーんて、きゃーっ!」
「ふ、二人の時間って……! なにを言っているのよっ。わ、私は生徒会の仕事として……」
顔を赤くしてはしゃぐシャーリーに、カレンがいつになく必死に反論する。ミレイとリヴァルはにやにやしているし、ニーナも控えめな笑みを浮かべていた。
対して、取り残された朴念仁ズは完全に沈黙している。ルルーシュは静かに読書し、スザクは何が楽しいのかニコニコと笑っていた。ライはいつも通りの無表情を貫いているしかなかった。
「…………」
"いつも通り"。
確かに、打ち解けてきたのかもしれない。ゆっくりと流れる穏やかな時間。賑やかな人達。平和な場所。
きっと、この環境を尊いと感じているのだろう。失いたくないと思い始めている。来たばかりの頃は居心地の悪さが大半を占めていたというのに。
今では楽しいと思っているのかもしれない。
「…………」
これは変化だ。成長と言っても良いかもしれない。こうしていれば、やがては普通の人間になれるのではないだろうか。
もう一度、周りの人々を見やる。
やっぱり眩しくて、ライは顔を伏せた。
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