38:名無しNIPPER[saga]
2015/06/16(火) 10:20:55.58 ID:f3NIeJHDO
「……君は僕に普通に接してくれるんだね」
「どういう意味だ?」
「僕は……名誉ブリタニア人だから」
アッシュフォード学園はエリア11と呼ばれるブリタニアの植民地にある。ここは昔、日本と呼ばれていた国だったが、数年前の戦争で日本が敗れた事により神聖ブリタニア王国の統治下となった。
それ以来、日本人はイレヴンと呼ばれ、迫害されている。エリア11から取られた俗称だったが、今ではすっかり定着してしまった。
「そういえば……ここでは差別があるんだったな」
常識的な知識はあるのか、ライは思い出したように言った。
名誉ブリタニア人とは、特定の手続きを経ることでブリタニアの国籍を取得した被植民地国の人間の事である。簡潔に言えば、自分達の国を奪った相手に頭(こうべ)を垂れ、隷属した者を指す言葉だ。
ゲットーと呼ばれる廃虚となった街から、清潔な租界での暮らしが約束される代わりに、ブリタニア人からはゴミのように扱われ、母国の人間からは売国奴と罵られる。
本来ならば、名誉ブリタニア人のスザクはアッシュフォード学園に入学することなど許されない。それが、様々な幸運が重なったことにより、こうして勉強が出来る。
とても感謝はしているが、それでも差別は日常茶飯事だった。スザク自身、慣れてはいたが、普通に接してくれるミレイやリヴァル達、そしてライのような人間は珍しい。
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