過去ログ - コードギアス 【ロスカラ】
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380:名無しNIPPER[saga]
2015/07/29(水) 19:21:23.89 ID:RvzOFB6DO
同級生で人気があるのはスポーツが出来る男子だ。足が速かったり、ドッジボールなどで活躍したり。そういう男子は得てして勉強も出来る。


だが、そういった所に魅力を感じない。理由は明らかだった。自分の方が優秀だと思っているから、そこを長所だと認められないのだ。


(好きではないが)勉強は得意だし、運動に関しては上級生にも負けた事がない。喧嘩をして男子を泣かせたこともあった。


自分が文武両道なのもあるが、理想的な兄を見て育っているのが一番の理由だろう。男子に対して特別な感情を抱けない。恋へのハードルは依然として高そうだった。


女子達はまだ楽しそうにしている。もしかしたら、この中にあの男子を好きな子がいるのかもしれない。笑顔の中には、好奇心の他に仄暗い感情が窺える。


思わずため息が出た。付き合いきれない。さっさと別れの挨拶をしてから教室を出た。早く家に帰りたかった。


下駄箱で外履きに履き替え、玄関を飛び出す。茜色の空と、涼やかな風。放課後特有の開放感。下級生が騒ぎながら農道を駆けていく。遠くからカレーの匂いが漂ってきて、お腹がくぅと鳴いた。


来る時、兄に送って貰った道を辿る。田畑を眺め、踏切を越え、商店街にさしかかった。この辺りまで来ると、家へ帰りたいという本能から自然と足が早くなる。


そこで見知った人影を見つけた。一人は片手に買い物袋を持って、値札とにらめっこしている。もう一人はその姿を静かに観察している。傍らには自転車が停めてあった。


母と兄だ。一緒に買い物をしている。とても楽しそうだった。髪の色も同じ二人だ。赤毛なのは自分だけ。なんだか仲間外れにされたような気分になって、二人に気づかないふりをして歩きだした。


早足で歩く。後ろから誰かがついて来る。見当はついたが無視した。さらに足を早める。


だが悲しいかな、あまりにも歩幅が違い過ぎた。






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