396:名無しNIPPER[saga]
2015/07/31(金) 18:24:02.35 ID:TYp+eNeDO
彼は不思議そうに首を傾げてから、再び歩き出そうとした。待ち合わせまで時間があるとはいえ、なんだか非常に面白くない。
今度は明確な怒りを込めて睨み付けた。ライはビクッと体を震わせ、こちらに再度顔を向ける。恐る恐るといった様子だ。失礼な反応だが、ちょっと可愛いと思った。
窓越しにおいでおいでと手招きすると彼は素直に寄ってきた。下の階で「いらっしゃいませー」という形式的な挨拶の後、ライが階段を登ってくる。
「おはよう」
「……ああ。おはよう。早かったな」
少しばかり疲れた表情のライと朝の挨拶を交わす。そして対面の席に彼を座らせ、テーブルを見ると、先ほど頼んでいたモーニングセットが置かれていた。外を凝視している間に来ていたらしい。
つまり、店員にあの姿を見られてしまったという事だ。窓ガラスに張り付き、外のカップル(に見える)を睨みつけ、ストローをがじがじしている姿を。
もう、この店には来れないだろう。
やり場の無い怒りを込めてライを見る。
「また怒っているのか」
「……別に、怒ってはいないけど」
彼から目を離し、手元の皿を見た。サンドイッチにみずみずしいサラダ、トロッとしたスクランブルドエッグ、焼いたソーセージとベーコン。コンソメスープもある。
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