406:名無しNIPPER[saga]
2015/08/04(火) 23:58:26.76 ID:cpl1ZqNDO
「……で、何してたの」
「何、とは」
カレンが尋ねると、ライはスープの入ったカップを置いた。テーブルにはサラダとスープが二つずつある。ライが注文した物とは別に、カレンが(勝手に)注文したハンバーグセットに同様の物が含まれていたからだ。
ライは熱い物が苦手らしく、スープに四苦八苦している。口に運ぶどころか、容器を持つことさえ難しいようだ。
やがて諦め、サラダに手を伸ばす。
「まだ待ち合わせの時間まで余裕があったでしょ。また租界巡りでもしていたの?」
「そんなところだな。他にすることもないし……」
ライの生活には一定の法則がある。朝五時に起床。二時間ほど租界を歩いて学園に戻り、七時から八時半まで生徒会の仕事をする。それから午前の授業を受け、昼休みはまた生徒会室で仕事。
午後の授業が終われば、生徒会室で仕事をして、それから再度、租界へ繰り出す。
ずっとこんな調子だ。変化といえば昼休みに図書室へ行ったり、放課後の租界散策に誰かが同行するくらいのものだろう。
ほとんど娯楽とは無縁の生活である。機械的と言ってもいい。これは生徒会でも重大な懸案事項とされていた。
記憶探しも大事だが、もっと日常を楽しんでも良いのではないだろうか。というのが生徒会メンバーの総意だ。もちろん、カレンもそう思っている。
ライが授業に出るのはスザクのためだ。仕事で忙しく、また名誉ブリタニア人という立場上、他の生徒からの手助けを受けられない彼のために、ノートを取ったり課題を手伝ったりしている。
生徒会では、いない人間の分まで仕事をやっている。休みがちなルルーシュやスザク、そしてカレンの分を率先して片付けているのだ。
1002Res/860.00 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。