42:名無しNIPPER[saga]
2015/06/16(火) 11:38:02.90 ID:f3NIeJHDO
(だから機嫌が悪かったのか……)
肩の辺りがどんよりと重くなる。突然、記憶喪失の不審者を押し付けられた病弱なカレン。どれだけ不満だっただろう。
ミレイ会長の人選にも問題はあるが、それはカレンの体調をまったく気にかけなかった理由にはならないだろう。
案内された道を覚え、何か記憶に関係ないかを考える事に必死だったせいだ。内側にしか意識が向いていなかった。
「今日、カレンは午後からの登校だったな……」
午前の授業は欠席していた。昨日別れた後、体調を崩したのかもしれない。教室に入ってきた後、普通に挨拶をしてくれたが……。
「ライ、大丈夫かい?」
「……あ、ああ。だが、彼女の体調が優れないというのであれば、世話係は断るしかない」
「そうだね。それは確かに」
スザクも頷く。
カレンが体調を崩して倒れた場合、租界の地理に疎いライでは対処が遅れる事も充分に考えられた。最悪の事態も想定できる。そうなれば、任命したミレイ会長の責任問題にも発展するだろう。
生徒会が解散に追い込まれる可能性もある。それだけは許容出来ない。絶対に。
「おいおい、そこまで深刻に考えなくても……」
思い詰めた表情のライに、リヴァルが声を掛ける。しかし、ライは首を振った。
「いや、彼女の善意に甘えていたのは事実だ。だからこそ、迷惑はかけたくない」
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