425:名無しNIPPER[saga]
2015/08/10(月) 09:58:21.06 ID:dDnsREuDO
「どうした」
気づけば、ライがこちらを見ていた。
「え? なにが?」
慌てて居住まいを正す。いけない。ライの鈍感さは手遅れの域に達しているが、それでも妙に鋭いところがある。油断はいけない。
「いまなにか、嬉しそうだった」
ほら、こんな調子だ。
「そ、そう?」
蒼い瞳に見据えられ、なぜだか落ち着かない気分になる。何もかも見透かされているようだった。
「…………」
ライは無言で見つめてくる。何故か、ここで持ち前の負けん気が顔を出した。
「な、なによ」
言葉に攻撃的な色を込める。それ以上突っ込むなという合図だった。
「僕が日本人だと嬉しいか」
この合図は、ライに効いた試しが無い。
「え……!?」
その一言でカレンの顔に火が灯る。図星をさされた事の、なによりの証しだった。
「別にそんなことは……」
やはり油断ならない男だと、カレンは思った。
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