435:名無しNIPPER[saga]
2015/08/10(月) 21:48:02.76 ID:dDnsREuDO
「詳しいんだな。随分と」
疑うような言葉……というわけではなかった。あくまでも感想。やはり他人事のようだ。おかげで、熱くなっていた頭が冷えていく。
「ま、まあね。色々ニュースで言ってるし、学校の噂話程度でも聞きかじっていると結構詳しくなるものよ」
「そうか」
目の前で知人が豹変したというのに、ライはどこまでも冷静だった。刻々と近づいてくる戦闘にもまるで動じた様子がない。
「……話している余裕も無さそうだ。僕達も退避しないと」
言いながら、ライは後方を見た。紫色の巨人が迫ってくる。
ブリタニア軍正式採用機の第五世代型KMF<サザーランド>。<グラスゴー>の戦闘データを基に、出力、装甲、機動性、殆ど全ての性能を向上させた最新鋭の機体だ。しかも生産性や整備性まで高いときている。ブリタニアの騎士達から愛される傑作機だった。
センサーや各種電子兵装も最新の物を搭載しているため通常、<無頼>では太刀打ち出来ない相手だ。
その証拠に<サザーランド>が現れた途端、テロリスト達のナイトメア部隊は一方的に撃破されていた。同じ武装を使用していても、その威力には大きな差が出る。
最新のレーダーやアクティブ・センサー、FCSを搭載している<サザーランド>はより遠い所から正確な射撃が出来る。これは大きなアドバンテージだ。
<無頼>の射程範囲内で戦っても結果は変わらない。
電子兵装のパワーが違うのだ。現代兵器の戦いはまず、相手の妨害から始まる。敵の照準を狂わせ、被弾のリスクを極力下げる。撃ち合いはその後だ。
つまり、<サザーランド>と<無頼>が同じ火砲を撃ち合ったとしても、破壊されるのは<無頼>だけ。<サザーランド>に向けた砲弾は虚空へ飛んでいくことになる。
これが"性能差"というものだ。
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