437:名無しNIPPER[saga]
2015/08/10(月) 21:52:20.53 ID:dDnsREuDO
『各ユニットへ通達』
<サザーランド>の外部スピーカーからブリタニア兵の声が響く。嫌々ながらゴミ掃除をする時のような、やる気の無い声だった。
『テロリストは、ゲットー住民に紛れ込む公算大』
「え……?」
カレンは耳を疑った。
確かに、テロリスト達の見分けは他の住民と区別がつかない。もとから紛れ込む魂胆だったのだろう。そして百戦錬磨のブリタニア軍は、そういった姑息な手段への対抗策を熟知していた。
『包囲内のイレヴンは一人も逃すな。繰り返す。一人たりとも逃すな。一匹残らず──』
<サザーランド>の頭部がぱっくりと開いた。内部のファクトスフィアが展開し、周囲の状況を瞬時にスキャンする。
そして、まがまがしく光るアサルト・ライフルの砲口を、胸部の対人機銃を、日本人達へと向けた。
『──皆殺しにしろ』
「やめ──」
発砲。大口径の砲弾がゲットー住民へ降り注ぐ。人の形をしていた物が、血飛沫となって破裂していく。赤いシャボン玉が弾けるように、次々と。
「ぎゃああっ!」
<サザーランド>が投げた手榴弾が炸裂。無数の針が雨となって住民達を包み込んだ。
「キャアッ!」
「うああっ!?」
「あ、足が……足がぁああ!」
最悪の光景だった。ビルの隙間から飛び出しそうになるカレンを、ライが引き戻し、押さえつける。
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