447:名無しNIPPER[saga]
2015/08/15(土) 17:17:10.40 ID:96BNk38DO
その手付きはどこまでも自然だった。キーボードを引っ張り出してから、モニターに機体の情報を表示。
不必要な部分への電力供給はカット。バランサーを調整し、アクチュエーターの出力も根本から変更する。調子の悪い冷却システムも、無理やり言うことを聞くようにしたようだ。
彼の指が動く度に、<無頼>はその姿を変えていく。
「ら、ライ?」
当たり前のように<無頼>のシステムを書き換え始めた彼の後ろから、カレンは戸惑いながら呼び掛けた。
「なんだ」
「なにを……する気なの?」
操縦システムをいじっていたライは手を止め、こちらを見た。いつもの無表情。顔はカレンに向いているのに、両手は作業を続けている。まるで機械のようだった。
「この状況だ。徒歩での脱出は困難だろう。だがナイトメアの機動力なら、まだ可能性はある」
そう言って、ライは再びモニターに視線を戻した。
オートパイロットやモーション・サポート・システムを軒並み休眠状態に。カレンは目を疑った。この男はこの状況で、ナイトメアを完全な手動操縦で動かそうとしているのだ。
ありえない。KMFは精密機器だ。機体からのサポート無しに動かす事は不可能に近い。
「逃げるならこのまま動かせば良いでしょう? どうして、操縦システムを切り替える必要があるのよ」
「包囲網が完成している状況だ。戦闘は覚悟する必要がある」
説明になっていない。戦闘を行うつもりなら、なおのことシステム的なサポートは必要なはずなのに。
1002Res/860.00 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。