488:名無しNIPPER[saga]
2015/08/23(日) 20:23:33.94 ID:3Q5voUDDO
「……なぜ話した」
ルルーシュが暗い表情で言った。艶やかな黒髪が、星の光を反射する。女性と見紛うくらい白く細い手は、何かの感情を握り締めて震えていた。
「言い方があったはずだ。別に、俺達にナイトメアのくだりを話す必要は無かった。ただゲットーに行って、そこで戦闘に巻き込まれたと……命からがら逃げてきたと、そう言えば良かったんじゃないのか」
「ルルーシュ……」
スザクが呆然と親友の名を呟く。彼にもライにも、ルルーシュの横顔から覗く深い苦悩の意味を察する事が出来なかった。
「なぜ嘘を言わない。どうしてお前は、いつも辛い方にばかり行こうとするんだ」
「辛い方にばかり……」
ライが反復すると、ルルーシュの瞳が射抜くような鋭さを持った。彼がどうして怒っているのか、何に憤っているのか、ライには分からなかった。
「そうだろう。お前はいつも苦しんでいる。クラブハウスにいる時も、教室にいる時も、生徒会室にいる時も……。俺はそれが気に入らない」
「……そうか」
そういえば最近、ルルーシュから哀れむような目で見られる事が多くなっている。これが理由なのだろう。
返す言葉を用意出来ず、ライは黙り込むしかなかった。
「お前はそんなに……ここが嫌いか」
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