52:名無しNIPPER[saga]
2015/06/17(水) 02:12:02.50 ID:jrxZ+tTDO
「それは……」
ライの言い分はカレンが倒れた際に、自分では対処出来ないだの、それが回り回って生徒会の崩壊に繋がるだのといった、明らかに心配し過ぎというものだった。
反論しようとして、カレンは言葉を選ぶ。
実のところ、病弱なお嬢様というカレンの人物像はまるっきり嘘だった。その嘘は"病弱"と"お嬢様"の二つに分けられる。
まず、カレンはすこぶる健康であり、病弱ではない。必要ならば学園にいる女子生徒の誰よりも速く走れる自信があった。病弱というのは学校をサボるための口実に過ぎない。
お嬢様というのも、真っ赤な嘘であった。もちろん、名門貴族であるシュタットフェルト家の一人娘なのは本当だが、カレンにはもう一つ、本当の顔がある。
本来の性格は貞淑なお嬢様などとは無縁で、学園内で求められるキャラクターを演じているだけだった。それは生徒会の中でも同じである。
『本当は元気でもしかしたらあなたよりも体力があるかもしれない。だからそんな心配は無用だ』
これを、今までのイメージを壊さないように伝えるというのは、なかなかに難しい。下手をすれば二年近い苦労が無駄になる。
「まず、私はあなたが思っているほど体は弱くないわ」
「だが、午前中は欠席していただろう」
「それは……」
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