525: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/09/02(水) 16:52:31.95 ID:zMZDMcHDO
「あっちを助けなくていいのか」
ルルーシュの言うあっちとはカレンの事だろう。人だかりは減るどころか増え続け、野次馬も集まり始めて大騒ぎになっていた。祭り好きという、アッシュフォード学園の生徒の性質が災いしてしまったようだ。
「やめておこう。昨日の件が原因なのだとしたら、ここで僕が近づくと騒ぎが大きくなる危険性がある。それはカレンのためにならない」
そう答えると、ルルーシュは笑った。何かに評価を下すような笑み。どこか嬉しそうだ。
「冷静な判断力だな。……だが、あちらは違うらしいぞ」
「……?」
もう一度、騒ぎの中心に目を戻す。辟易した様子のカレンがこちらに気づき、近づこうとするも──人垣によって阻まれた。病弱で清楚なお嬢様がそれをかき分けられるはずもなく、その足は止められてしまう。
彼女の空色の瞳に、僅かな苛立ちの炎が揺らめいた。
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