542: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/09/07(月) 21:13:36.09 ID:8dKBAj+DO
だから逃げるわけにはいかない。屋上でああ言った手前、中途半端な事などしていい筈がなかった。
校門を抜けると、車道を挟んだ向こう側に、そびえ立つ大学が見えた。その前に軍用の大型トレーラーが停車している。あれを見るだけで、ライは気分が夕陽のように沈んでいくのを感じた。
歩いていく。もしかしたら留守ではないかという、淡い期待を胸にして。
「あ、ライ。来てくれたんだね!」
軍服姿のスザクが近づいてくる。
「見つかってしまったか……」
少し肩が落ちた。それを見て、スザクが笑う。
「隠れてたのかい?」
「……そういうわけじゃないんだが」
「そう? 何はともあれ、来てくれて嬉しいよ。さあ行こう。ロイドさんが一日中うるさいんだよ。早く君に会わせろって」
「そ、そうか……」
スザクの口振りからすると、おそらく上司から訪問者を連れてこいと言われたのだろう。可哀想に。気の毒だった。
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