554: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/09/07(月) 23:09:19.63 ID:8dKBAj+DO
「やけに時間がかかってませんか?」
「そうね……」
ロイドが端末の前から動かない。時折、シミュレーターの中にいるライと何かを話しているようだったが、稼働音やら何やらで聞き取れなかった。
おかしい、とスザクは思った。体験用シミュレーションはどの機材の中にも予め入力されているはずだ。何かを準備する必要は無い。説明さえ要らないはずだ。なにせ、シミュレーションの中に初心者向けの音声ガイダンスが入っているのだから。
「嫌な予感がするわね」
セシルが言った。ロイドは以前、軍学校のシミュレーターの中に最新型ナイトメアのデータを入れ、それを何も知らない練習生達にやらせた前科がある。結果として半死人の山が出来上がり、コックピットの中は嘔吐物まみれになった。
またそれをやろうとしているのかもしれない。
……やろうとしているのだろう。
「はじめま〜す!」
ロイドの表情は見たことがないほどに輝いている。スザクの疑念は確信へと変わった。
暗転していた大型モニターに光が灯り、起動時に表示される文字列がブラックボード並みに大きい画面を埋め尽くしていく。
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