577: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/09/14(月) 22:32:24.51 ID:abxhPIPDO
「……僕に技術的な知識があるのもまた事実だ。ロイド伯爵も言っていたが、これ一つで生計を立てられるくらいのものらしい」
「それは……そうだけど」
ライは今の境遇に不満を抱いている。衣食住の全てをミレイの善意で与えられ、それに対して何も返せないことに強い罪悪感を持っているのだ。
その気持ちは良く分かる。同じ立場だったらスザクも必ずそう考えるだろう。
その点から見れば、ライが自身の技能を使って金銭を得たいと考えるのは当然のことだ。ブリタニア軍人なら社会的にも申し分ない立場を得られるし、能力を示せば報酬も跳ね上がる。
自立さえ出来れば、ライは何の気負いもなくアッシュフォード学園の正式な生徒になれるだろう。ロイドなら彼の身分をでっち上げることくらい造作もない。
ブリタニア軍に入れば、彼の抱えている問題の大半は解決する。義務感から記憶探しに執着する必要は無くなり、胸を張って生きていけるのだ。
だが、事がそう上手く運ばないことを、スザクは知っている。
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