583: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/09/14(月) 22:41:26.41 ID:abxhPIPDO
「呼び出しだ」
「随分と話し込んでしまったからな」
着信音からメールだというのは分かっていたので、通信機の液晶画面に文面を表示する。頬が引きつった。
「どうした。叱られたのか」
「いや……ロイドさんから君に宛てた物なんだけど」
「そうか。どういった内容だ」
「また君にシミュレーターをやって欲しいみたいなんだ。だから、もう一度来てもらいたいって。出来れば明日にでも」
「わかった」
「いいのかい?」
ロイドはなし崩し的にライを加入させるつもりだろう。ナイトメアについて、操縦技能と工学的知識を高い次元で両立させているパイロットはブリタニア軍でも滅多にいない。
慢性的な人材不足に喘いでいる特派からしてみれば、喉から手が出るほど欲しい存在なのは明らかだった。
「問題ないだろう。こちらの弱みは既に晒したからな。ロイド伯爵の動向も見ておきたい」
「わかった。待ってるよ」
手をあげ、スザクは背を向けた。暗い夜道を一人で帰る。
「……今日はありがとう。有意義な時間だった」
後ろから友人の声がした。振り向き、
「こっちこそありがとう。……おやすみ。夕食はしっかり食べること」
「……ああ、わかった。おやすみ」
微笑みを交わした。
その後、戻ったスザクを待っていたのは暴行を受けた形跡のあるロイドと、いつになくニコニコしているセシルだった。
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