59:名無しNIPPER[saga]
2015/06/17(水) 09:48:21.64 ID:jrxZ+tTDO
学園で保護されて一週間ほど経ったある日の朝、ライは日課となった生徒会の書類仕事をこなしていた。得意分野は会計である。支出を計算し、今現在の予算に間違いがないか確認をしている最中だった。
(……今年度の分はクリア。時間もあるし、去年の会計報告書類にも目を通しておこうか)
会計の仕事をすれば、アッシュフォード学園の行事などがいつ行われるか分かるし、その時の予算を見て規模を推し量る事も出来る。ひいては生徒会メンバーの助けになれるだろう。
面倒を見てもらうだけというのは忍びない。なにより、頭の中で数字を回していれば、記憶の事などを一時的に忘れられる。一種の逃避行為でもあった。
前年度の資料を探そうとライが立ち上がり、棚へ向かう。その時、後頭部に軽い衝撃が走った。
「会長チョ〜ップ!」
「…………」
振り向くと、デジタルカメラを片手に持ったミレイ会長が満面の笑みを浮かべたまま、手刀をライの頭に乗せていた。
どうやら、今の衝撃はこの人が原因だったらしい。
「…………」
「……あら」
意図が分からず、ライがジーッと見つめていると、ミレイの頬を汗が伝った。
「……どうしました」
「……怒った?」
「いや……」
「びっくりすると思ったんだけどなぁ」
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