624: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/09/26(土) 22:29:13.46 ID:rpLvuEADO
なんとなく彼女にそんな顔をさせるのが嫌で、ライは校舎の方へと歩きながら続ける。
「……もう一つの理由を訊いていなかったな」
「理由? なにかしら」
「昨日は一日中、怒っていただろう。あれはどうしてだ」
口を利いてくれないどころか、顔さえ合わせてくれなかった。怯えられたからだと思ったのだが、違うらしい。すると理由がまたも分からなくなる。
だから尋ねたのだが、その瞬間、カレンの足がピタリと止まった。
何か思い出したのか、その横顔がどんどん険しくなっていく。それだけでライは言いようの無い不安に襲われた。また怒られるのかと、覚悟を決める。
「……別に」
しかし、予想していた叱責は来なかった。呟きを残し、カレンは再び歩き始める。速度はかなり速い。置き去りにされかねないスピードだった。
無理をして追い掛ける必要も無いかと思い、ライは立ち止まったままその背中をただ見ていた。
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