635: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/09/26(土) 22:47:22.91 ID:rpLvuEADO
「ん……どうした」
「それは私が聞いてるの。急に呆けちゃって……何かあった?」
「……いや」
視線を外しても、カレンは疑惑の目を緩めない。観念して、ライは言った。
「少し考えてしまった。記憶を失う前にも、こういう風に過ごしていたのかな、と」
「こういう風に?」
「うん。なんていうか……なんて言えばいいんだろうな」
いまいちしっくりくる言葉が出てきてくれない。
「今みたいに、穏やかな朝を過ごしていたのか……とか」
「…………」
「いや、らしくない事を言った。忘れてくれ」
言葉通り、らしくないと思ったライは強引に話を打ち切った。だが、カレンは黙ってこちらを数秒ほど見つめ、それから膝の上のアーサーに目を落とした。丸くなっている黒猫は撫でられると、ぐりんと身をよじる。
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