650: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/10/01(木) 23:35:00.38 ID:5rFYbDODO
「スザク君がいないと寂しい?」
そんなライの心中を察したのか、セシルが悪戯っぽく訊いてくる。ロイドと同じく、その表情や仕草はどこか子供のようだった。
「そうみたいですね」
今の状態を見る限りそうなのだろう。彼がいないと分かった途端に胃がキリキリと痛み出したのだから。
いつの間にか、あの笑顔に頼っていたのかもしれない。
「素直ね。スザク君に直接言ってあげたら喜ぶんじゃないかしら。ほら、彼って人からの感情に鈍いから」
「ああ……確かに。学園では朴念仁ズなんて呼ばれてますよ」
「ふふ。やっぱり」
口元に手を当てて微笑む仕草はとても上品だった。あの右腕で昨日、ロイドにボクサー顔負けのストレートを見舞っていた事が嘘のようだ。
大学の内部は目新しいものばかりだった。学生達の大半は制服ではなく私服を着ている。指定の制服というものが存在しないのだろう。
中には少数だが、白衣を纏った学生達もいた。彼らは皆、セシルを見かけると挨拶をしたり、遠くから手を振ったりしている。
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