675: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/10/06(火) 20:17:38.35 ID:h2uoLNaDO
「例の男……ですが、見ての通りナイトメアを器用に扱えます」
『ふむ……』
暗い室内に声が響く。まだ若い少女のものだったが、その声に年相応のあどけなさは感じられない。硬質で、無機質。しかしながら、やむを得ず誰かの秘密をさらす時のような、仄暗い後ろめたさを漂わせている。
室内は広く、テーブルを中心に三つのソファーが並べられていた。天井から吊り下げられたスクリーンには、ナイトメアのものと思われる戦闘の映像が投影されていた。
「……これが、シンジュクでの一幕か」
「凄い……んだろうが、良く分からないな」
室内には数人の男女がいた。数は八人。一人を除き、いずれも黒い制服を身に付け、額には赤いバンダナを巻いている。少女もまた、同様の服装だった。
彼らの風貌は<黒の騎士団>構成員の特徴と一致していた。
「で、これを俺たちに見せてどうしたいんだ?」
一人の男が言った。大柄で、頭髪はリーゼントのように整えている。扇という男だ。剣呑な空気が支配する室内において、場違いなほど穏やかな声だった。
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