685: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/10/06(火) 21:00:25.35 ID:h2uoLNaDO
「あんまりこういう事は言いたくないんだけど……しといた方がいいと思うわよ」
「何をですか?」
「覚悟。どっちに転がっても、きっと簡単にはいかないから」
真面目な声音で告げてから、井上は視線を逸らしたカレンの肩を叩いて去っていった。
◇
朝の生徒会室。ライが扉を開けると、先客がいた。赤い髪の少女が、静かに本を読んでいる。
カレンだ。昨日に続き、今日も早い時間に登校していたらしい。妙だと思ったが、それを言葉にはしなかった。いつも通りに挨拶を交わし、書類仕事を始める。
「…………」
断続的な視線。部屋には二人しかいない。読書をしているはずの相手が、こちらをちらちらと見やっているのだ。
「…………」
「……どうした」
ページをめくる音も無い。カレンの傍らには、既に片付けられた書類がある。ライが現れるかなり前から、この部屋にいたという事だ。
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