704: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/10/11(日) 23:31:00.05 ID:LTu7tWvDO
カレンと共にゲットーでテロに巻き込まれた時のことを思い出す。自分達がいる場所が、どんどんと戦場に塗り替えられていく中、ライは恐怖でも混乱でもなく、強い充足感を覚えていた。
周りで人が死んでいてもショックは無かった。空を叩くような砲声の音で安心していた。そこら中で爆発が起き、粉塵が舞い上がる最中が、生きているということを実感させてくれた。
なにより───
「この生徒会室より、あの戦場の方がずっと……ずっと居心地が良かった。最初からここにいたのかと思うくらいに」
笑顔や歓声に満たされた楽園より、暴力と断末魔が支配する地獄の方が良かった。鉄火が舞い、殺意が渦巻く環境こそ、自分がいるべき所だと思った。
<特派>のシミューレーターに物足りなさを感じるのは当然だ。
「危険な人間なんだ。だからルルーシュとスザクに頼んで、ここから去ろうとした。ミレイさんや学園に迷惑がかかるなんてのは、ただの建て前だ」
本当はただ逃げ出したかっただけだ。この学園はあまりにも綺麗過ぎて、自分がどれだけ汚れた人間なのかを常に突きつけられているように感じる。
それが耐えられなかった。<特派>に入る理由の一つは、間違いなく学園からの逃避なのだ。
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