711: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/10/12(月) 00:07:32.84 ID:+/5T+82DO
「本望でしょ」
「理由くらいは知らないと、死にきれないだろう」
流石のライでも、自身が死ぬ理由くらいは知りたかった。刺殺や銃殺、撲殺といった死因ではなく、その動機を。
「だいたい、あれが恋愛感情から来るものじゃないことくらい、僕にだって分かる」
「んー。そうね」
「意中の相手に向ける視線というのは……あれだろう。君がルルーシュに向けているような、ああいう感じのものだ」
「なるほどね。キミもなかなか……うぇ!?」
突然、シャーリーが奇声を発した。彼女は口をぱくぱくさせてから、顔を真っ赤に染める。分かりやすく、鮮やかな変化だった。
「な、なに言ってんの!?」
「事実を言った。……話を戻すが、君の言った通りカレンのあれはなんというか……」
真っ赤なシャーリーから睨まれつつ、ライは思考を重ねた。カレンの視線には恋愛やら何やらに含まれるだろう柔らかく初々しいものはなく、変わりにもっと硬質で歪なものが混ざっているように感じた。
シャーリーの視線が穏やかで暖かい春風だとしたら、カレンのは硬質で荒々しい砂嵐に似ている。
そしてこの息苦しさ。
まるで、監視されているようだった。
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