713: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/10/12(月) 00:10:59.25 ID:+/5T+82DO
助けてほしいというのはライの本心であり、切実な望みだが、シャーリーの背中を押したい気持ちも確かにあった。
カレンに必要なのは記憶喪失の不審者ではなく、心を開ける友人だ。それは間違いない。問題があるとすれば、二人が好意を寄せている相手が同じだということくらいだ。
それはルルーシュの甲斐性に期待するしかない。
「そ、それはそうだけど……」
シャーリーは照れた様子でなんとなしにカレンの方を見て──ピシリと固まった。ライもその視線を辿り、同じく硬直する。
凝視されていた。
赤い髪の看守が、こちらを見ている。
彼女はまばたき一つせず、その感情の無い瞳で二人を捉えて離さない。隣からシャーリーの『ひゃっ……』という小さな声が聞こえた。
恐ろしいと思った。
ライはそそくさとシャーリーの陰に隠れる。彼女の長い髪からは良い香りがして、とても落ち着いた。
「ら、ライのばかっ。わたしまで睨まれてるじゃん……って何で隠れてるの」
「助けてくれ。君が動かなければ、明日のランチに僕が並ぶかもしれないんだぞ」
「カレンの事をなんだと思ってるの……?」
1002Res/860.00 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。