755: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/10/23(金) 23:43:07.81 ID:IFnugpJDO
時に性別の違いが法的措置に影響を与えるらしいことを、ライは学びつつあった。
女性が男性の身体に触れても大きな問題には発展しづらいが、性別を逆にした場合、危険性は跳ね上がる。電車で『この人、痴漢です!』と言われれば、それが冤罪だろうと社会的に抹殺されるのと同じだ。
社会的地位の差もある。ファンクラブや親衛隊が存在するカレンに対してストーキングじみた行動を取れば、何の後ろ盾もないライはあっという間に謀殺されてしまうことだろう。
爆発物の解体作業と同じだ。非常にデリケートで、危険性が高い。報復行為には細心の注意を払わなくてはならない。
「難しいな……」
法に触れずにカレンを無力化する。衆人監視の中で。ほとんど不可能に近い。
「そんなことないよ」
シャーリーが自信満々に言った。
「任せて。なんとかしてあげるから」
「そうか。すまないが、よろしく頼む」
どうして彼女はこんなに燃えているのだろう、とライは思ったが、それは言わなかった。同じ女性であるシャーリーの意見はこれ以上ないほど参考になる。
その後すぐ、カレンが戻ってきたことで対策会議は終了した。帰り際、シャーリーと目が合うと、ぱちっとウインクされた。
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