763: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/10/24(土) 06:15:37.15 ID:QEKfXJJDO
ライは自陣に白い駒を一六個並べてから、ルルーシュの陣地にも同様に黒い駒を並べていく。だが、黒い駒は一〇個しかない。八個のポーンと、キングとクイーンが一つずつ。ナイトとビショップ、ルークの駒を抜かれた状態だ。
ルルーシュが初心者であるライとやる際は、いつもこの変則ルールを採用する。一〇対一六──しかも主要な駒を抜いた状態では優勢など明らかだ。
「ふむ……」
ルルーシュは自分の駒を自陣の好きな位置に動かす。流石に初期配置のままで駒だけ抜いたらどうしようもなくなるからだ。
対戦相手が駒の位置を熟考している間、ライはチェス用の本に目を通す。定石とされる打ち方や、過去の名プレイヤーが得意とした戦術は参考になる。
ライだけではなく、ルルーシュにとっても何らかの練習的な意図があるらしい。互いに勝ち負け以外の目的を含むいびつな対局だが、少なくともライは楽しんでいた。
「よし、やろうか」
準備を終えたルルーシュの言葉を受けて、ライは本を閉じた。テレビから流れるニュースキャスターの声を聞きながら、まず白いポーンを動かした。
さて、最初はどの手からいこうか。
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