795: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/10/30(金) 00:02:44.27 ID:2chqpXDDO
「そうか。君も楽しんでいるように見えたが」
楽しんでいなければ、感想を求めてきたりはしないだろう。そう思ったのだが、カレンにキッと睨まれたので口を閉ざした。
「服装で言ったら、あなただって大概だと思うけど。制服以外の服とか持ってるの?」
「あるぞ」
「どんな服?」
「体操着」
「真面目に答えて」
真面目に答えたつもりだったのだが。ライは僅かな混乱に陥った。
「ミレイさんから支給された物以外は持っていない」
こう答えればいいのだろうか。
「でしょう? そうだと思った」
カレンの機微は目に見えて良くなる。
人間の感性とは複雑なもので、褒められたからといって喜ぶとは限らない。何気ない一言が好転や悪化を招くこともある。
そして、そういった機微を読み取る感覚は他人と触れ合うことでしか育まれない。一か月程度の積み重ねしかないライは、生後間もない赤子と大して変わらないのだ。
本当に難しい。
「…………」
「良ければ一緒に洋服とか見に行ってみる? あなた一人じゃ不安だから」
「ん……そうだな」
確かに制服だけでは色々と問題がある。何か問題が起きた時に、一目でアッシュフォード学園の関係者だと分かってしまうからだ。
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