796: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/10/30(金) 00:04:08.23 ID:2chqpXDDO
第一、仮入学生でしかない自分が、我が物顔で指定の制服を着ているのもおかしな話だ。
「あなた見た目は悪くないんだし、少しはおしゃれに気を使ってみたら?」
「……しかしな」
ライの金はミレイから貰った物だ。ほとんど使っていないために貯まり続けているが、それを娯楽に使うというのには抵抗があった。
人の金で遊ぶのはみっともない行為だ。そう思うくらいの倫理観は持ち合わせている。
「嫌なの?」
ライが黙っていると、カレンはどこか不機嫌そうに尋ねてきた。
「嫌じゃない。……そうだな、プライベートで着る服くらい持っていた方がいいだろう」
「そう? じゃあ決まりね」
今度は一転して嬉しそうに笑う。たった今、面倒事が増えたばかりだというのに。理由はまったく分からなかった、
「すまないな」
「ま、まあ、これもお世話係の仕事だし」
(そうなのか……)
気づけば、いつの間にか主導権をカレンが握っている。これでは普段と変わらない。
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