798: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/10/30(金) 00:07:30.67 ID:2chqpXDDO
「こんな挿絵がついているような本をナナリーに読もうとしていたの?」
「絵は重要じゃない。ナナリーからの要望を貪欲に盛り込んでいった結果、この本に行き着いた」
夏が近づいてきているとの理由から、怖い話が聞きたいとリクエストがあった。ナナリーはあれでかなり豪胆なので、ありふれた作品では効果が薄い。
加えて、海に行ってみたいという要望もあった。足が不自由なナナリーは海水浴を楽しめない。せめて雰囲気だけでも、とライは思っていた。
しかもナナリーはギリシャや北欧の神話を好んでいる。さらに言えば、魚介類を始めとした海産物はライの趣向に合致している。
つまり、これしかなかった。運命的だとさえ思っていた。
これらを懇切丁寧に、ライはカレンに説明した。
「……あなた、おかしいんじゃない?」
だが、分かって貰えないらしい。理解を得られなかったライは落胆しつつもカレンに言った。
「僕が独断で決めたと思っているだろう」
「違うの?」
「ナナリーと親好の深いスザクにも一緒に選んでもらった。だから間違いない」
「…………」
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