804: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/10/30(金) 00:14:07.77 ID:2chqpXDDO
「むー」
またも唸られる。どうしてだろうか。今までのやり取りから、その理由を推測する。
「…………」
恐らく、シャーリーは数回に及ぶ自身の頼みを迷惑がられていると誤解しているのではないか。そんなつもりは全く無かったが、ライの必要最低限を下回る口調から、そういった考えに行き着いたのかもしれない。
そう過程した場合、いま言うべき事は一つだ。
「君と出かけるのは楽しい。だから迷惑じゃない」
「…………」
誤解を生まないよう心がけた率直な言葉を伝える。シャーリーからは未だに疑うような視線が向けられていたが、その白い頬が朱に染まった。
「そ、そっか……」
「今日の放課後だな。君の準備が出来たら声を掛けてくれ」
「うん。じゃ、じゃあお願いねっ」
こくこくと頷き、シャーリーは足早に去っていった。誤解は解け、機嫌は直ったようだが、挙動不審だった。
「…………」
ライはまたもため息を吐いた。
周囲からの圧力が、また一段と増していたからだ。
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