814: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/11/05(木) 10:57:54.40 ID:+RjyVImDO
放課後になり、ライはシャーリーと共に租界の街を歩いていた。ショッピングモールまでの道すがら、彼女と話すのはもっぱらカレンの事だ。
「えー!? 絶対ウソだよっ」
シャーリーが信じられないといった表情で言う。ライが朝の生徒会室でカレンに尋ねたことの中に、普段愛用している化粧品についてのものがあった。
「本当だ。ほとんど頓着しないらしい」
「だ、だってあんなに人気あるのに……。あ、でも確かにメイクしている感じしないなぁ」
驚いた表情から一転、今度は両腕を組んでうんうんと唸る。ここまで感情豊かで考えを表に出す少女も珍しい。話題の中心にいるカレンとは正反対の印象を受ける。
「でも、化粧品入れるポーチ持ってたよね。あのピンクのやつ」
ライの眉がピクリと揺れた。
言われてみれば、カレンが手の込んだメイクをしていないのは当たり前だ。化粧品を入れるためのバッグには極太の刃物が収納されているのだから物を持ち込むこと自体、不可能に決まっている。
まずい。どうして彼女はこう、変なところでずさんなのか。中身を見られたり、突っ込まれて訊かれたりしたら困るだろうに。
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