825: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/11/05(木) 11:17:16.47 ID:+RjyVImDO
「あっ……!」
しばらく歩き、目的地のショッピングモールも間近という時だった。またも何かに気づいたシャーリーが通り過ぎようとしていた店のショーウィンドウに駆け寄る。
「……?」
食べ物屋ではない。彼女が心を奪われている物に興味が湧き、ライも後に続く。シャーリーの背中越しにガラスを覗くと、そこには鮮やかなデザインの白いドレスが飾られていた。
(これは確か……)
知識の引き出しから言葉を取り出す。
ウェディングドレスという物だ。結婚式などで女性が着る衣服。一着あたりの値段はオーダーメイド品でおよそ三八〇〇ポンドほど。
見れば、ドレスの他にも結婚式についてのカタログなどを置いている。ここはどうやらブライダル・ショップのようだ。
シャーリーは白いドレスに目を輝かせている。異常な関心の寄せ具合だ。近々、婚約の予定でもあるのだろうか……などとライが考えていると、
「私ね……。小さい頃、お父さんに良く言ってたんだ。『パパのお嫁さんになる』って」
柔らかな声で彼女は言った。大切な記憶を思い起こす時の声だ。
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