843: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/11/09(月) 23:19:29.66 ID:IXU7FTiDO
下らないと吐き捨てる。黒煙が空に昇っていく。雨を吸った銀髪が水を吐き出してきて、酷く癪に障った。
消えない炎を宿した松明を戻し、歩き出す。やるべき事はまだまだ残っている。
死体の焼けた、生臭い風がまとわりつく。永遠に消えないだろう匂い。烙印のようだった。
空を見上げる。まだ雨は止まない。止む気配もない。これからも何百、何千、何万と死体の山を築かねばならない。
世界は未だ闇の中だ。太陽は随分と長い間みていない。争いは絶えず、貧困と暴力ばかりが膨らんでいく。待っているのは破滅だけ。暗澹とした未来が手招きをしている。
だから、戦って、殺して、勝利する。それ以外に道は無い。
これからもずっと、それだけは変わらない。戦う必要がある。殺す必要がある。勝利する必要がある。
永遠にも思えるほどの長きに渡って、いつまでも繰り返す。どこまでも続いていく。
もう逃れられない。変えられない。果たすべき目的があるのだから。
この足は前に進む。誰よりも先を歩かなければならない。たとえどれだけ死体の山を築こうと、振り向くわけにはいかない。どれだけ血と涙が流れようと、それに囚われるわけにはいかない。
前に、前に、ひたすら前に。
そして。
そしていつかは──
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