847: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/11/09(月) 23:23:43.54 ID:IXU7FTiDO
眠い。
朝の教室。一時限目の授業が始まって二〇分ほど経過した頃、強い眠気がカレンを襲った。
早朝から昼までライの監視に時間を割き、夜は<黒の騎士団>の活動に参加する。総帥であるゼロの意向により騎士団は基本的に深夜営業なので、ゲットーから租界へ帰ってくると時刻は大抵、午前の二時や四時を回っていた。
ライは朝早くから行動する。あの男は何があっても生活リズムを崩さない。五時には起床して街を歩き、六時半には生徒会室に現れる。
自然、カレンの睡眠時間は三時間程度に限られてしまう。
体力には自信がある。一日や二日程度なら徹夜しても問題ない。僅かながら眠れる時間もあるのだ。
だが、これが何日も続くと話は変わってくる。しかも近頃、監視対象が突如として積極的に近寄ってくるようになった。これはカレンにとって、大きな誤算だった。
ボロを出さないように気を遣う。何事も無いように振る舞う。いつもと変わらない様子で、笑顔を貼り付ける。ただ目を離さないようにしていれば良いと思っていただけに、その消耗は大きく、致命的だった。
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