859: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/11/10(火) 00:19:49.02 ID:RQrE+LDDO
声は女生徒達の後ろから聞こえた。珍しい銀髪が人垣の向こうに見える。
感情を映さない瞳に見られた直近の少女は心を奪われたように呆然と立ち尽くし、物乞いのようにただ次の言葉を待っていた。
「あ、あの……」
もう一人の女子生徒が言った。見たからに萎縮している。突然現れたライに戸惑っているのだろう。生徒会のメンバーを除く一般の生徒からは近寄り難い存在と認識されているせいだ。
無口で無気力な無表情はクールに見えるらしい。本当はただぼんやりしているだけなのだが。
ライは声をかけてきた少女に目を向け、
「話しているところをすまない。カレンに用があるんだが、借りていいだろうか」
そう告げた。言われた女子生徒は顔を赤くしてこくこくと頷く。
「ど、どうぞっ」
「ありがとう」
ライも頷きを返し、ようやくカレンに目を移す。なにやら物扱いされたことに若干の苛立ちを感じつつも、蒼い瞳を見つめ返す。
「えっと……なに?」
「今の授業で分からないところがあった。良ければ君に教えてもらいたいんだが」
1002Res/860.00 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。