894: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/11/21(土) 09:13:44.93 ID:xN9on8TDO
「君は呑気だな」
キャットフードの袋が思いのほか頑丈で手こずりながらライはルルーシュに言った。早く救援に向かわなくては、取り返しのつかないことになる。
「スザクが飼うと言ったんだ。血や涙を流す責任はあいつにある」
「スザクが死んだらナナリーが悲しむ」
「ふむ。それは確かに」
ようやく大袋が開いた。即座に中から小袋を取り出し、それをアーサー専用の食器にザラザラと流し込む。
既に入れ替えられていた水と一緒に指定の場所に配置したライと入れ替わるようにスザクが抱えていた黒猫を餌の前に降ろした。見事なコンビネーションだった。
待ちかねていた食事に飛びつくと思われたアーサーだが、クンクンと匂いを嗅いだ後、『仕方ねえな』といった様子で渋々と食べ始めた。
これでは傷だらけになったスザクと、学園からショッピングモールまでの都合二キロを一〇分弱で往復したライが報われない。
「……餌に飢えていたんじゃないのか」
「うう……」
「ただ単に機嫌が悪かっただけのようだな」
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