91:名無しNIPPER[saga]
2015/06/18(木) 20:05:43.56 ID:0bD55o1DO
目標へ向かって真っ直ぐ飛んでいく。かわせるはずが一撃。
「……!?」
弾かれた。敵機は無茶苦茶な姿勢からスタントンファを振るい、スラッシュハーケンを叩き落とす。
今度はこちらが無防備になる番だった。紅い<無頼>は尻餅をついたままの姿勢でこちらを向き、スラッシュハーケンの照準を合わせている。反対にこちらは地面に突き刺さった二基のハーケンを巻き戻すために、身動きが取れなかった。
二本のケーブルを引き連れて、射出される二基のハーケン。やけにゆっくり見える。
衝撃。敵機の攻撃は<サザーランド>の頭部に直撃した。モニターが暗転。センサー類が全滅し、火気管制系が完全に死んだ。KMFに取って、頭部の破損は致命的だった。戦闘に必要な機能の殆どを失うからだ。
膝を屈し、沈黙する<サザーランド>。
『機を棄てて投降しろ』
外部スピーカーから相手パイロットの声が聞こえた。男口調だが、驚いたことに若い女の声だった。おそらくは、成人前の。
『聞こえなかったか? おとなしく──』
聞き終わる前に、トリガーを引いていた。巻き戻されたスラッシュハーケンが再び放たれる。同時に、機体を突進させた。生き残っていた両腕で掴みかかる。
どうやら、彼女の往生際の悪さが伝播していたらしい。
重い衝撃が、機体を襲った。
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