94:名無しNIPPER[saga]
2015/06/18(木) 23:19:29.03 ID:0bD55o1DO
少女には夢があった。
日本の解放。
つい最近まで不可能だと思っていた。しかし、それをゼロが変えたのだ。彼の活躍は、少女に夢を現実の物とする希望を与えた。
だから負けられない。だから逃げたくなかった。
国を奪った連中に復讐を。
兄を奪った奴らに報いを。
なまじ力を手に入れたばかりに、体を渦巻く憎しみの火は弱まる事を知らなかった。
きっと、この火は消えないだろう。少女が死んでも、目的を果たすその日までは。弱まってはいけないのだ。目的を果たすその日までは。そうでなければ、死んでいった仲間に申し訳が立たない。殺した人達の命が無駄になる。
「機を棄てて投降しろ」
最後に残った接近戦仕様の<サザーランド>。投降を呼びかけたが無視された。そうだろう。自分だってそうする。
最後の足掻きをわけなく捌いて、その脇腹にスタントンファを叩きつけた。耐えられるはずもなく、イジェクションシートが射出される。
これで今夜も、彼女は勝者となった。
しばし、思考が沈む。自分の手を見た。白く、細い指。しかし血にまみれているように見える。十時間後にはアッシュフォード学園の制服に身を包み、何食わぬ顔で登校しているだろう。
そして、何も知らない彼の腕を取るのだ。この血に濡れた手で。
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