941: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/11/26(木) 22:15:26.63 ID:w5GHjmWDO
「君がこの前、あそこのお店を助けてくれたからね。店主さんからのお礼だよ」
一週間ほど前のことだ。スザクとライがたびたび訪れているあのクレープ屋に、数名のブリタニア人男性が難癖を付けるという出来事があった。
そのブリタニア人は明らかに興奮しており、まともな会話が出来る状態ではなかった。
非常に声が大きく、その発言はあまりに差別的で業務妨害にしか見えなかったので、ライはその男性達を無力化して、軍人として駆けつけたスザクに引き渡したのだ。
そのあと現れたカレンがやたら上機嫌だったのを覚えている。
「助けたわけじゃないぞ」
無力化といっても、暴力を振るったわけではない。ライはただ手頃な位置にいた男性の背中に右の手の平を当てただけだ。
二本の足で直立している人間の重心は、四足歩行動物のそれと比べて酷く不安定だ。外部からの的確な操作を受けただけで容易く乱され、まともに立っていることすら難しくなる。
傍から見れば手を当てられているだけなのに、力が抜けたように膝をつくという極めて屈辱的なシチュエーションを作り出すことが出来るのだ。
しかし、その後がいけなかった。
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