959: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/12/01(火) 08:38:01.99 ID:IN4redvDO
──王の力はお前を孤独にする。
またも変わる。
荒れた大地。濁った空、乾いた風。
ただ一人で、ライはそこに立っていた。他に人の姿はない。大切な二人も、いない。
この手で守りたかった者はもういない。伸ばした手を掴んでくれる誰かはいないのだ。
色の無い、痛みと嘆きしかないこんな世界でただ一人。誰も知らない世界の果てでたった一人。
完全な孤独。
「─────」
何かを言おうとしたが、それは言葉にならなかった。話し方すら忘れてしまったのか。
無力感に苛まれる。何も出来ない。何の意味も価値ない。
『おやすみ』
ライのものでもない、C.C.のものでもない。第三者の声。懐かしい誰かの声。
その声を聞いた瞬間、足元から地面が消えた。
景色は一変していた。無数の様々な映像が現れては消えていく。万華鏡の中に放り出されたようだった。
上も下も、右も左も無い。無限に近い情報の海を漂っている。
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