過去ログ - モバP「知り合いの誰か」
1- 20
35:名無しNIPPER[saga]
2015/08/16(日) 18:59:34.71 ID:I+8NMLWp0
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


 私はいやな女の子です。

 他ならぬあなたが下さったお仕事にかこつけて、あなたに気持ちを押し付けて。

 アイドルとしての幸せはもう十分にいただいているのに、普通の幸せまで欲しがりだしてる。

 大好きな男の人に、自分を大好きになってもらうという、普通の、そしてこの上ない幸せ。

 不幸不幸と嘆いていた私は、少し幸せをもたらしてもらった途端、誰よりも欲張りになっていました。

 でも、もう、不幸は嫌――いいえ。

 どれだけ不幸な目に遭っても構わない、でも、あなたと離れることだけは耐えられない。

 ――そんなことを、薄黄昏に沈んだお部屋で、あなたに絡みつきながら、強く思いました。


 ベッドに腰掛けたあなたの上で、私は身体をくねらせます。

 両手両足であなたに纏わりつき、少しの離別だってできないよう、きつく、固く、振り絞ります。

 汗で濡れた胸板にささやかな膨らみを押し付けて、少しでも私の身体に「女」を求めて欲しくて。

 口といわず肌といわずもたらされる愛しい接触に、あちこちを蕩かされながら――脳裏をよぎるのは、私よりずっと女らしいひとたち。

 腰の奥にとんとん響く気持ちよさで意識を手放しそうになり、それでも必死でお尻を上げて、おろして、吐き出したり呑み込んだりを繰り返します。

 飽きられないよう見捨てられぬよう。

 たとえ不幸を振りまいてでも、あなたに愛想を尽かされぬよう。

 
 街は夕暮れ。窓から見える空は、まだ半分も夜に染まっていません。

 外を覗き込めば、きっと眼下には沢山の人が出歩いているのでしょう。

 私とあなたも、つい1時間前まではその中にいました。

 いつものお洋服のボタンを開けて、スカートは穿いたまま、下着さえ、上も下もずらしただけで――日常の延長線の上で、私はあなたと繋がっていました。

 それはとても、幸せなことに思えました。

 醒めてしまう夢じゃないって。

 終わってしまうお芝居でもないって。

 じわり、滲んできた涙を、あなたは拭ってくれました。

 それを契機として、ぽろぽろぽろぽろ、私は泣いてしまいました。

 人は幸せな気持ちで涙を流せることを、私は既に知っていました。

 それを教えてくれたあなたは少し慌てた様子で――私は泣きながら微笑み、ひときわ強く、あなたを抱きしめました。 


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
49Res/47.64 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice