39: ◆R4LxbbyKhE[saga]
2015/06/14(日) 09:33:10.82 ID:wXx8W5xM0
……それから6時間後。「……頑張れ! 頑張れ!」もはや補給のためのスシとスタミナドリンクも底を尽き、太陽も
完全に沈んで夜になっていたが、それでもまだアヤメは走り続けていた。「ハァーッ……ハァーッ……」
最後に休息したのは何時間前か? スシを補給したのは? そもそもなぜ走っているのか? ただ全力で走るだけの
機械めいてカラテを振り絞るアヤメの思考は覚束ない。彼女の耳に聞こえるのは、空気の流れる音、地面を蹴る足音、
そして背中のぷちヒトミの声援だけだ。
「……あと少し、あと少しだから!」「ハァーッ……ハァーッ……」すでに会話どころか単純な返事をすることも難しい。
視界は霞み、顔も時折苦痛で歪む。直進するために山を、ビルを、木を飛び越え、壁を走り、人々の間を見つからずに
すり抜ける。
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