過去ログ - みく「死の港町にて」【モバマス×メタルマックス3】
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◆Freege5emM
[saga]
2015/06/28(日) 00:09:05.40 ID:nhj66epYo
●03-01
「……あなた、どうしたの」
路上に倒れたまま、顔を伏せて両肩を震わせだしたみくを、
のあと名乗った女ソルジャーが訝しむ。
「……変なあたり方はしてないはずだけど」
「……ふ、あは、あははっ、のあ、のあだって……?」
「あなたに言われなくても、自分の名前ぐらい知っているわ」
みくは三半規管をいびつに震わせながら、笑った。
「……大破壊の、引き金と、同じ、名前っ……ふふっ、ステキな、お名前にゃあ」
“のあ”と聞いて、みくが思い浮かべたのは、大破壊の元凶“ノア”だった。
みくは人類がノアから敗走した後に生まれた世代だが、
それでも外を徘徊するマシンやモンスターを通して、その脅威を知っている。
「世界征服でも、するのかにゃ……? おお、怖い怖い……」
「そういうあなたは、可愛い可愛い子猫ちゃんかしら」
のあは、地面にうつ伏せになっているみくに合成樹脂の手を伸ばし、
メカニック御用達安全服のうなじを指でつまみ上げた。
「んぎゃっ、な、あんたっ」
みくは、自分の体が片腕で軽々持ち上げられたことに驚いた。
しかし、のあが片腕かつ片手の指三本で、その芸当を行っていることには気づいていない。
「マグナムガデス、あなたが持ってるのでしょう? ちょうだい」
「おねーさん、この街は追い剥ぎにも作法というものがあるにゃ」
みくは無防備にぶら下げられていたが、不敵に笑うことができた。
ここは倉庫街のど真ん中、相手はたった今知ったばかりのソルジャー。
会話が成り立つのであれば、触手よりはよっぽどマシであった。
「……猫に九生あり、って本当なのかしら」
のあの声音は、脅迫的な台詞に対して奇妙に平坦だった。
「さぁ。みくも知らんにゃ」
答えるみくの声は、呑気な台詞に対して不自然に震えていた。
「……今、試すのもいいかも、にゃ」
呟きの末尾は甲高い破裂音に潰されて、ニトロビールの熱が弾けた。
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