過去ログ - みく「死の港町にて」【モバマス×メタルマックス3】
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◆Freege5emM
[saga]
2015/06/14(日) 22:20:58.51 ID:RtIBe/voo
●05
みくは、晶葉と並んでMBT77砲座のキューポラに座って、
もうじき姿を見せるであろう親方を待っていた。
プエルト・モリの住民が家代わりに使っている倉庫やコンテナ。
それらが立ち並ぶ間から、真っ黒いシルエットの中年男――親方が姿を見せた。
MBT77と二人を見つけた親方は、みくたちへ歩いて近づいてくる。
それが、あと20歩ぐらいという距離までというところで、
ポーンとシャンパンを開けた瞬間に似た小気味良い響きとともに、
親方の足元から白い柱のようなものが真っ直ぐ突き出た。
親方の姿がそれに半分ほど遮られた時、みくは白い柱を間欠泉か何かだと思った。
白い柱は、フタの外れたマンホールらしき穴からピンと伸びていたが、
みくの瞬き一回の後で、ヘチマのようにくにゃりと変形した。
そして柱から数歩離れていた親方の胴に、白い腹帯のごとく巻き付くと、
口にすすられる蕎麦の麺のようにマンホールへ吸い込まれていく。
親方の身体が、マンホールの縁にうつ伏せになって止まった。
さして直径が大きくもないマンホール。ちょうど肩と腰の部分が、縁に引っかかっている。
親方の手のひらが二度三度、プエルト・モリの路上をタップした。
そのすぐあと、親方の体は――敢えて声で表すなら――ガキリ、とでも言えそうな奇妙な響きとともに、
逆エビ方向へ二つに折りたたまれ、黒いシルエットは半ば両断され、みくたちの視界から見えなくなった。
親方を路の下へ引きずり込んだ白いくねくねは、親方に続かんとしてマンホールの中へ吸い込まれ、
マンホールの穴をカコン、という軽い音を立ててフタで塞ぎ帰っていった。
お騒がせしました、とでも言わんばかりの塩梅だった。
「なに、アレ」
みくと晶葉は、ただ一言を漏らすのが精一杯だった。
(続く)
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