過去ログ - 電「待っててくれて、ありがとう」
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2:名無しNIPPER[saga]
2015/06/14(日) 23:38:46.44 ID:7r/c97yX0
「どうしたのよ! もー!」
雷ちゃんが私を心配してこっちに走ってきます。
えへへ。電は嬉しいのです。
当たり前の日常を、雷ちゃん達と過ごせることが、何よりも嬉しいのです。
「はい、ほらハンカチ! 卒業式も終わったんだから、そろそろ泣き止まないとね!」
雷ちゃんはいつも優しいです。
電のことは何もかもお見通し。
電が辛い時は、いつも雷ちゃんが側に居てくれました。
「ありがとう、雷ちゃん」
私は雷ちゃんから渡されたハンカチを受け取り、静かに涙を拭きました。
と同時に、雷ちゃんの後ろからは二人のお姉ちゃんも電の元へ来てくれます。
「あらあら。色々思い返しちゃったのかしら? 電」
暁ちゃんは優しく微笑んで、私に気を使ってくれます。
「ふっ……」
響ちゃんも恥ずかしさを隠さず、私を見て笑いかけてくれます。
「ごめんね。色々、思い出しちゃったのです」
そう。
「艦娘だったこと、暁型四姉妹で生還できたこと、学校に通えたこと、皆で卒業できたこと」
そして。
「平和な世界になったこと」
「……」
三人は顔を合わせ、そしてまた私を見て笑いました。
「あはは……! 電は本当、泣き虫なんだからあ! 胸貸してあげようか? もっと私を頼っていいのよ?」
「ふふ。そろそろ『なのです』、も卒業しないとね? 暁ももう、ほとんど使ってないわよ、それ」
「……暁を真似して電は使いだしたものね。確か、司令とうまく話せなくて、仲良くなるため……だったかな」
「うふふ」
懐かしいのです。
電が最初に秘書官だったころ、緊張して口下手な私は、司令官さんとうまく話せませんでした。
でも、次々とお姉ちゃん達が鎮守府に拝命し、色々と電に助言してくれたのです。
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